短編 『ブス姉ちゃん 1 』
床屋さんトコのブス姉ちゃんは、泣き虫のクセにいつも僕のことを子供扱いするんだ。だから僕はイジメられたって泣いたりしない。
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僕んちの斜め向かいは床屋さんだ。
僕はいつもそこで髪を切る。床屋のおじさんはとても優しくて、床屋のクセにちょっと髪の毛フサフサなんかじゃないけど、髪を切り終わったら、好きなの選んで良いよってキャンディなんかくれるし、いっつもニコニコ笑ってるし、ちゃんと僕を大人扱いして顔剃りなんかもしてくれる。だから僕はその床屋さんが大好きだ。床に散らばった自分の髪の毛が、ほうきとちりとりでゴミみたいに集められてくのを見るのも好き。だって、さっきまで僕の頭の先頭きってたやつらが、もう必要ないよって、ススッと集められ、コテッとまとめられちゃうんだ。こんな面白い事ってそんなにないだろ。
髪を切り終わった後は、フカッとしたソファーにドンと腰を下して、床屋さんに貰ったキャンディを舐めながら漫画を読む。なんだかスッキリした気分を、ゆっくり味わいたいんだ。すぐに外に出ちゃうと、フウっと吹いた風が洗い立ての頭に冷たくて、ちょっとガッカリな気持ちになっちゃうからね。そんなの勿体無い。
「ただいまー、おっ、幸太、またそんなクリクリ坊主になっちゃってー。可愛らしいんだから」
カランっと床屋さんのドアが開いて、入ってきた床屋さんトコの娘が、そう言いながら僕の頭をグリグリと撫でた。せっかく洗ってもらってサッパリした頭を、好き勝手に撫で回されて、僕はちょっとイラッとなった。
「うるさいブス姉ちゃん」
そう言い放って、頭にのせられていた手を押しのけると、ブス姉ちゃんはムスッとした顔になった。
「なにソレ幸太?反抗期?可愛くないなー」
「おまえだって可愛くねぇーよ、ブス」
「うわぁーホント可愛くねぇ、このクソガキ」
ブス姉ちゃんは怒った顔。今度は拳で僕の頭をグリグリしやがった。
「痛てぇーな、やめろよブサイク!」
「ゴメンなさいは?このクソチビ」
本気で痛くて涙が出そうだってのに、大人げないブス姉ちゃんは、僕が謝るまでグリグリ必死でやめようとはしない。床屋さんは優しいからソレを眺めて笑ってるだけ。仕方ないから、涙を堪えるのが限界ってあたりで渋々謝ってやった。
「よーし、もうね、人にブスとかブサイクとか言っちゃダメだからね」
ブス姉ちゃんは真っ赤な顔。ちょっと半分ぐらい泣きそうな顔だった。
「ゴメンなさい…」
反省したフリをして、僕はわざとらしくトボトボと床屋さんのドアまで歩くと、ドアをグイッと開けながら振り向いて言ってやったんだ。
「じゃあな!ブス姉ちゃん」
そして僕は家まで全速力で走った。
『猿り言』
★いきなりなんだか書きたくなって書いてみました。
続きもあります。
★トプログ★
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「なにソレ幸太?反抗期?可愛くないなー」
「おまえだって可愛くねぇーよ、ブス」
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ブス姉ちゃんは怒った顔。今度は拳で僕の頭をグリグリしやがった。
「痛てぇーな、やめろよブサイク!」
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「ゴメンなさい…」
反省したフリをして、僕はわざとらしくトボトボと床屋さんのドアまで歩くと、ドアをグイッと開けながら振り向いて言ってやったんだ。
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